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東京の都心6エリアそれぞれの「親和性の高いクラスター」とその興味から探る“関係構築”のヒント

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WRITER: 増田 光一郎

シリーズコラム vol.1

「東京の都心6エリアのワーカーに、勤務地愛着を醸成するためのヒントが見えた!?」

(2/3)

前回のコラム(1/3)は、こちら

 

 

前回のおさらい。

東京の都心6エリア「新宿(西口)、渋谷、品川、六本木、池袋、東京(丸の内・八重洲)」のワーカーに着目し、価値観によってクラスター分類をしてみたところ10の因子による5つのクラスターが導き出せました。

その導き出したクラスターを複数の尺度によってマッピングし、関係性を明らかにしたのが前回のコラムになります。

今回は、導出した5つのクラスターの特徴を明らかにし、東京の都心6エリアそれぞれの「親和性の高いクラスター」が割合で判明します。

 

 

●ペルソナの特徴と6エリアのクラスター構成比から関係構築のヒントが!

今回のコラムでは、まず、5クラスターの価値観や特徴を詳しく見ていくことからスタートします。

 

▶【Cluster1 みんなで一緒に頑張り楽しみたい、チーム充タイプ(以下、チーム充タイプ)

まずは、クラスター1です。

このクラスターは、「穏やか・親しみやすい人柄で、仕事とプライベートのどちらも充実させたい。仕事では人間関係を大切にしながら、やりがいを重視。」

といった価値観や特徴が見られました。

さらに細かいペルソナは下記になります。

 

【Cluster1 チーム充タイプ】ペルソナ

 

大きな特徴としては、「仕事もプライベートも充実させたい」ということ、「やりがいのある仕事」を求めていることが挙げられます。

ただし、他人を蹴落としてというよりは、「親しみやすさ」や「温かさ」を重視し、「人間関係」を大事にして協調的な考え方を持っているタイプであると考えられます。

その他で注目すべき点は、最も働きたい街として、一般的なビジネス街を挙げている一方で、最も好きな街としては、「上野」や「下北沢」など個性的な街を好んでいる様子も伺えます。

 

 

▶【Cluster2 お金のためなら何とか頑張る、休日電池切れタイプ(以下、休日電池切れタイプ)

次に、クラスター2です。

このクラスターは、「勤務先に対する満足度が低く、勤務地に対する愛着もないが、転職はしない。自由な時間が少なく、友達も少ないので、余暇の満足度が低い。」

といった価値観や特徴が見られました。

このクラスターのさらに細かいペルソナは下記です。

 

【Cluster2 休日電池切れタイプ】ペルソナ

 

特徴としては、基本属性では、男性の割合が高く性年代でも「男性30代」、「女性40代」が多く、働き盛り層が多く属しているのが特徴的です。

勤務先満足度が低く、勤務先評価が「ブラック企業」と挙げている割合が多いため、それが関係している可能性も高いと考えられます。

また、100万円あったらしたいことでは、「お酒」、「公営ギャンブル」、「ゲーム課金」、「金融商品に投資」など他では無い特徴も挙がっており非常に興味深いペルソナとなっています。

 

 

▶【Cluster3 仕事もプライベートも輝きたい、絶対主役タイプ(以下、絶対主役タイプ)

続いて、クラスター3です。

このクラスターは、「仕事もプライベートもポジティブでアクティブな行動派。勤務先も勤務地も大好き。ブランドイメージを重視し、他者に羨ましいと思われたいしモテたい。」

といった価値観や特徴が見られました。

このクラスターの細かいペルソナは下記です。

 

【Cluster3 絶対主役タイプ】ペルソナ

 

特徴としては、基本属性では、平均年齢が「40歳」でやや若く、最終学歴が「大学/文系」で、世帯年収が「高め」というのが特徴と言えます。

出自や待遇などから自分に自信がある人も多くまだまだ野心的にステップアップをしていこうと考えている人が多いと考えられます。

それは、勤務先の評価として、「ステップアップ(腰掛け)」として考えていたり、「自分が社長の方がうまくいく」といった考え方が高かったりする部分や、価値観②のセルフイメージの「夢のある」、「ワクワクさせる」、「チャレンジ精神」の選択割合が高いといった部分からも見えてきます。

消費価値観としては、「話のネタ」、「高級感」などが重視されていたり、100万円あったらしたいことでは、「花火的な使い方(比喩です)など注目される使い方」、「大人買い」が高かったり、全体的にポジティブでアクティブと言えます。

とても注目すべきクラスターであり味方につけるべきクラスターである一方で、変化が早く、1つに留まらせておくのが難しいクラスターとも言えると考えられます。

 

 

▶【Cluster4 現状維持が一番、波風立てない草食系タイプ(以下、現状維持タイプ)

次に、クラスター4です。

このクラスターは、「現在の勤務先での勤続年数が長く、慣れてしまったせいか、もはや満足も不満もない。勤務地に愛着はないが、特に不満もない。平日の余暇時間が長く、家族を大事にする。」

といった価値観や特徴が見られました。

このクラスターの細かいペルソナは下記です。

 

【Cluster4 現状維持タイプ】ペルソナ

 

特徴としては、男性の割合が「約70%」を占め、性年代では「40-50代」の割合が高い、居住地は「東京都が少ない」など、男性、高年齢、東京以外の居住地というのが、基本属性の特徴です。また、勤務先評価、勤務地評価ともに、「どちらともいえない」が高く、勤務地エリアでの寄り道も「少ない」という行動から、勤務先、勤務地への愛着は低いと考えられます。

また、最も働きたい街では、「二子玉川」、「吉祥寺」など、都心以外のファミリーにも人気がある街が挙げられているのも特徴的と言えます。

 

 

▶【Cluster5 趣味に全身全霊、仕事は省エネ運転タイプ(以下、趣味に全身全霊タイプ)

最後に、クラスター5です。

このクラスターは、「気楽に過ごして、自由に趣味を楽しめるように、仕事では自身に負荷がかからない働き方を重視。勤務地では寄り道をせず、あまり愛着がない。」

といった価値観や特徴が見られました。

このクラスターの細かいペルソナは下記です。

 

【Cluster5 趣味に全身全霊タイプ】ペルソナ

 

特徴としては、女性の割合が「52%」と半数以上が女性で、女性の10-50代が全般的に高く、ライフステージが「独身」といったように、女性、独身といった部分が基本属性において特徴的と言えます。

仕事実態では、勤続年数も「12年」で比較的長く、勤務先評価も「のんびり・ゆるい」が高く、役職では「管理職が少ない」が高いように、比較的趣味に重点を置いていることが伺えます。

これは、100万円あったらしたいことで「すべて生活費にあてて休めるだけ休職」が高いということでも、一貫性が感じられる結果となりました。

 

 

さて、ここからが重要です。

この各クラスターが各エリアにどれくらいの比率で存在しているのかを知りたくありませんか?

表にまとめましたので、ご覧ください。

  

表1 勤務地エリア×クラスター構成比 男女合計

 

 

表2 勤務地エリア×クラスター構成比 男女別

 

男女計の勤務地エリア×クラスター構成比では、TOTALでは【Cluster4 現状維持タイプ】の構成比が高いようです。

各勤務地においてそれぞれ比率に違いがあるため、親和性の高いクラスターが存在することがお分かり頂けるのでは無いでしょうか。

全体を見渡した時に、構成比30%を超えているのは、渋谷の【Cluster3 絶対主役タイプ】と池袋の【Cluster4 現状維持タイプ】の2つのみとなりますので、特徴的と言えると考えられます。

男女別の勤務地エリア×クラスター構成比では、男性TOTALでは【Cluster4 現状維持タイプ】、女性TOTALでは【Cluster1 チーム充タイプ】が構成比として最も高い比率で存在することが分かりました。

その中でも六本木エリアは、男女ともに割合が比較的二極化傾向にあり、その中でも女性の【Cluster1 チーム充タイプ】の比率が35%を全体の中でも唯一超えているため、注目すべきであると考えられます。

 

このように各エリアのクラスター構成比を把握しつつ、各クラスターのそれぞれ興味深い特徴を掛け合わせることで、各エリアと各エリアのワーカーを繋ぎ、愛着を醸成するためのヒントが見えてくるのではないでしょうか。

 

次回は、エリアの中でも私たちが働く、新宿西口の注目すべきクラスターとその特徴を深堀してお話ししていきます。

 

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