新宿有識者
インタビュー
世界の都市の魅力は「寛容性」✖️「多様性」✖️「都市固有の資産」を相互に結びつけるエコシステムが鍵<前編>
日本大学教授 臼井哲也さん
- #グローバル化
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- #世界の都市戦略
都市と人という観点で研究を進めているThink!! Shinjukuでは、これから多くの有識者にインタビューを行っていきます。
まず第1回目は、グローバルマーケティング学者で、世界の都市を多数訪れている
「日本大学教授 臼井哲也先生」にお話をお伺いします。
グローバル時代の都市戦略、世界の都市はどのように成長しているのか、
そして新宿、新宿西口は、世界の都市の中でもどのように魅力を発揮できるか。
2018年 東京の都心6エリア ワーカー 価値観調査も確認しながら、
お話を頂きました。
(インタビューは、3月12日に実施を致しました。)
●2000年代に都市論では、インフラ中心から“人”中心へとブレイクスルーが起きた
増田 まずは、都市に関して、グローバルな視点でどのようなことが起きているのかを教えていただけますか。
臼井 まず一般論として、国ではなく、都市を単位とした議論にはかなり注目が集まっています。
2002年にトロント大学のリチャード・フロリダ氏が提唱した概念、「クリエイティブ・クラス(創造的階層)」が都市を単位とする議論の始まりを告げました。
彼は2004年に『クリエイティブ都市経済論(原題はCities and the Creative Class)』なる書籍を出版しています(邦訳書は2010年出版)。
彼の主張は明快で、特定の都市へクリエイティブな人が集まり、それが刺激となって以前から住む人もさらにクリエイティブに進化すれば、そこからイノベーションが生まれるということです。
そうすると都市の成長スパイラルが起動するのです。
米国は歴史的には移民国家です。
トランプ政権誕生以前の米国は移民政策については、門戸を広げて、いろんな人を受け入れる多様性と寛容性を重視してきました。
寛容で多様な都市は魅力的な人材を惹きつけ、発展していくということです。
この概念が一つのブレイクスルーになって、世界の都市政策に大きな影響を与えています。
それまでの都市というのは、できるだけ多くの企業を誘致し、人口を増やし、いかに生産量と税収を増やすのかという量的な成長を軸にしてきたと言っても良いでしょう。
量ではなく質、つまりどんな人を誘致するのか、どういう人に来てもらいたいか、をあまり意識していませんでした。
システムとしての都市でした。よりオペレーティブな都市だったわけです。
それが「クリエイティブ・クラス」という概念が登場した後は、たとえ少数であってもどのような人に集まってもらうと、都市の魅力が持続的に増していくのかということを真剣に考えるようになりました。
ポイントは、都市発展の原動力として、インフラや企業などハード面ではなく“個人の力とその相互作用”といったソフト面に注目するようになったことです。
この点が大きなブレイクスルーでしたね。
増田 都市政策に関して、このブレイクスルーを起点に以前と以後をもう少し詳しく教えて頂けますか。以前は、同じようなシステムの同じような都市が多く出来上がっていたのでしょうか。
臼井 近代都市は、同じような設備、そして同じような交通インフラ、それから高層ビル群で競争してきましたね。
基本的な都市機能の整備がとても重要であるということは、古代ローマ時代から言われているわけですが、20世紀になってさらに機能性を求めるようになったということです。
マンハッタンに摩天楼が登場する時期くらいからこの機能主義的な都市開発が主流になったと理解しています。
道と建物をつくって、そこに川が引かれ、上下水も整備する。
江戸もそうですが、都市開発とか都市政策というのはそのようなハード中心、インフラ中心の考え方が基本でした。
それが先ほども申し上げましたが、個人の力に注目をして都市の魅力を高めることを提唱したのが、リチャード・フロリダでした。
これがまず一つ大きな流れとして挙げられます。
そしてもう一つ、2000年以降の世界の都市を語るときに重要なのは、グローバル化との付き合い方です。
グローバル化とは、地球規模で国家間のあらゆる「移動(移転)」のコストがゼロに近づくことを意味しています。
つまり、グローバル化が進むと、情報や金に加え、人の移動も低コストになり、移動の量が爆発的に拡大するということです。
その結果、グローバルな範囲で都市間の競争が始まりました。
特に人の移動がここ10年の間に非常に活発になっています。
例えば、最近、ハワイで働こうだったり、シンガポールで働こうだったりと、そのような求人募集を転職エージェントが手掛けていますが、以前に比べると、個人にとって、他国で働いてみようというハードルはかなり下がっています。
2000年前後までは、日本人が海外で働くにはまずは大企業に就職することが条件でしたね。
以前、中国では団体客しか日本への旅行は認められていませんでしたが、一定の所得水準を満たせば、個人でも旅行できるようになった。
この規制緩和が爆買いという個人の経済行為を生み出しましたね。
個人の意思決定で簡単に国境を越えられる時代が到来したのです。
そのような流れに、リチャード・フロリダの提唱を掛け合わせると、創造的で魅力的な人を瞬時に集めて、何かを生み出すということの重要性が指摘されるようになったのです。
また柔軟に移動を繰り返すようなライフスタイルも出現しつつあります。
特定の場所に定住しないというと言い過ぎかもしれませんが、移動と短期滞在コストが低くなり、定住のみが選択肢ではなくなってきていることは明らかです。
いわば、グローバルなノマドワーカーですね。
つまり人材流動が起きやすい状態こそが、グローバル化の実情なんです。
ただやはり、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大を考えると、これからも災害、天災、テロなど様々なことが、グローバルな範囲で生じ得るので、あらゆる社会階層においてバラ色のグローバル化だけを語ることはできないですね。
それでも長期的なトレンドとしては、魅力あふれる場所へ人は移動すると私は考えています。
優秀な人であればあるほど優秀な人が集まる場所に惹きつけられていく、この大きな流れは止められないし、止まらないでしょう。
ただし、オンライン(リモート)を駆使して、クリエイティブな活動がどこまでできるのかを、ポストコロナの社会では解明していく必要もあります。
このトレンドを前提として、都市間のグローバル競争が繰り広げられています。
増田 以前、住むなら山手線の中に住めと言ったようなことが話題となりましたが、その話も今のお話に通じる部分はあるのでしょうか。
臼井 どこに住むかを選ぶ時には、電車で新宿まで何分かかるのか、あるいは住まいの近くにどんな施設があるかと言ったような、ハード面や機能面で選択するのが通常ですよね。
現在でも機能は重要な要素ではあるものの、今後は発想が逆転し、クリエイティブな人が集まっているところに、その後面白いハードもできていくという現象が生じるでしょう。
鶏も卵も「クリエイティブ・クラス」なんです。
そういった、人を起点とした循環がより重視されるようになってくるのではないでしょうか。
固定的なものではなく、より循環するものになってきている。
だから、山手線の中に住めばそういう人も集まってくるし、新しいものがどんどん生まれやすいということで、山手線の中に住むという選択がますます魅力を増すようになるのではないでしょうか。
●現代の世界都市間競争は、都市単位で投資を考え、都市単位で戦略を考える
増田 そのようなことも含めて、一極集中してきてしまっているのですね。
臼井 そうですね。特定の場所への集中が加速するのかもしれません。
その点に関しては、フィリップ・コトラーとミルトン・コトラーの著書『世界都市間競争』が参考になりますね。
私は邦訳書の書評を担当しました。
本書の中でコトラー兄弟は、これからは国家間の競争ではなく、都市間の競争になると明言しています。
それは、なぜかというと、現在でもたとえば、上海というアイコンで、人が集まってくるし投資も生まれるので、特定のエリア内で一極集中した場所である都市を単位(範囲)として、マーケティングや政策を立案、実行することが、実は適正規模なんです。
中国も米国も広すぎますね。
さらに言えば、中国の中では上海と北京が競争しているし、当然上海は、同時に東京やニューヨークとも競争しています。
都市が分析や実務の単位になっているのです。
だから、都市単位で投資を考え、都市単位で戦略を考える。
マーケティングも中国戦略ではなく、上海のこのエリア戦略と言うようにしないとうまくいかない。
もちろん中国の都市は巨大市場ですのでこれが成り立つのですが、今後はアジアを中心にこのようなメガ・シティがどんどん成長していきます。
都市をさらにエリアごとに細分化したきめ細かいマーケティングが必要になるでしょう。
日本でも新宿と渋谷では消費トレンドが異なりますよね。
増田 都市間競争における戦略を考える時に必要なことはありますか?
臼井 都市が保有する資源を持続的に創り出すしくみが鍵を握りますね。
それは、住む意味でもそうだし、観光客という意味でもそうなのですが、まずはインフラです。
インフラは、低い移動コストとスピード、そして高い安全性を提供します。
都市の中心部にアクセスが容易な空港の整備、電車などの交通網といったハードウェアも重要ですね。
しかし、注意すべきは、最先端のハードウェアには後発者優位が内在するということです。
新興国は常に出来上がった先進国よりも、低い社会的コストで新しいハードウェアを大胆に導入できますね。
ドローン・タクシーとか電子マネーなどが好例ですね。
したがって、インフラはまさに「基盤」であって、それだけでは競争優位は獲得できないのです。
一方で、その都市にしか存在しない自然や歴史的な遺産は、競争優位の源泉になりそうです。
しかし、もっとも重要なのは人を中心としたクリエイティブなシステムです。
先のリチャード・フロリダの言葉を借りれば、「多様性」と「寛容性」がキーワードです。
この2つがあれば人間同士が創造的にインタラクションして、楽しい雰囲気の中でイノベーションが生じると私は考えています。
そのようなハード面でもソフト面でも魅力のある都市を作り上げていくことが重要です。
増田 多様性も寛容性も人が作るものだと思うのですが、多様性と寛容性はかなり密接だと感じている中で、多様性は寛容性が無いと作れないと考えています。
ではその寛容性はその土地の人たちが作るものなのでしょうか?
臼井 政策により意識的に誘導することもできますが、それは積み重なった歴史なのだと思います。
例えば、アメリカという国の中では、西海岸の方が東海岸よりも新しい地域なので、温暖な気候も影響していると思いますが、より寛容です。
地理的にもアジアや南米の新参者が入ってきやすい。
そういう意味においては、アメリカの中でもカリフォルニアは多様性に富んでいる。
では、ニューヨークはどうかと言うと、歴史の表舞台に登場した18世紀後半以降、ヨーロッパの本土に比べると人種の面では多様であり、その結果、他者に対してより寛容な人がその後も増加したのではないでしょうか。
もちろんそこにはコンフリクトもありましたが・・・。
寛容性と多様性は相互作用しつつ成長していく、まさに歴史そのものなのです。
増田 実際には、ヨーロッパは移民先進国ではあると思いますが、なかなかうまくいっていなかったりしますよね。フランスやドイツは積極的に受け入れている一方で、なかなか社会が寛容になり切れていないのか、作られた寛容性と言ったことは感じますよね。
臼井 移民の問題を語り始めると様々な側面や課題があって一言では語り切れないので、クリエイティブな活動という側面、都市の魅力という側面より話を進めていくと、ここで言っている「多様性」、「寛容性」を生み出す対象は、専門的な知識を持った人、才能を存分に発揮できる活動的な個人、つまりクリエイティブ・クラスなんです。
クリエイティブ・クラスにだけ限って言えば、ヨーロッパも上手くいっていると私は考えています。
たとえば、英国では第二次大戦後の復興期にはかなりオープンにして様々な層(クラス)の移民を受け入れました。
その結果、社会層が分断されて、ブレグジットという結果に至る遠因となっていますが、一方で、大学の研究者の国籍や性別はかなり多様化が進み、皆、切磋琢磨する環境が生まれました。
国外出身の大学教員の方が多いぐらいです。
これは米国の大学でも同様です。
それによって創造的な研究成果が出るようになり、どんどん世界へ発信していこうという気運が高まりました。
しかし、日本の大学では、分野の違いもありますが、日本人の仲間内だけで活動をする傾向にあり、なかなか世界に発信できるようなレベルの研究を推進する土壌がまだ育っていませんね。
フランスは、少しイギリスよりも遅れたのですが、それでも日本よりは進んでいると感じています。
今やビジネス研究の分野では、フランス人の研究者も英語でコミュニケーションをとります。
一昔前では考えられなかったことですね。
そういうクリエイティブ・クラスと言われている階層の方々を呼び込むと言うことが街の活力になるとすれば、それは日本よりも、米国や欧州はかなり進んでいると言えますね。
最近では中国の大学でも世界中から頭脳を集めていますね。
これは、世界大学ランキングにおいて中国の大学が大きく躍進した主要因として知られています。
増田 今までの日本であれば、十分な経済規模を誇っていたので問題は無かったかもしれないですが、今後は難しい局面に入りそうですね。
臼井 その通りです。
だから、日本の都市も「多様性」と「寛容性」を意識して高めていく時代に来ていると感じています。
中でも東京の役割は重要ですね。
日本の都市の中では、首都東京は多様性も寛容性も圧倒的に高い存在だと言えるでしょう。
それは明らかですので、やはり日本の中では東京がもっとも競争力があると言えます。
たとえば、福岡はアジアの玄関口といった特徴を生かして成長していく可能性はあります。
しかし地方の政令指定都市にはロンドンやニューヨークに本社を構えるような世界の金融業の支店は立地していません。
シリコンバレーのように、イノベーションを創出するという先端のクラスターは今のところは育っていませんね。
日本国内における東京の比較優位は、クリエイティブ・クラスが集まりやすい基盤がすでに整っている点にあります。
このようなグローバル都市間競争の観点より、国としても東京にさらなる投資をしていく方向は正しいと考えています。
まずは東京に世界中からクリエイティブ・クラスを集め、それを起点として日本全体に拡散させていくという戦略やプロセスは地方創生の議論とも実は相性が良いのです。
増田 それでは、戦略的にうまくいった事例はあるのでしょうか。
臼井 都市の成長戦略の初期段階での鍵は、「目に見える経済的インセンティブ」にあると考えています。
成功事例としてはシンガポールが有名ですね。
シンガポールは国家であり、都市ではありませんので、実行できる法制度の範囲が異なるため、世界の都市が直ちに模倣はできませんが、世界の政策担当者が注目する成功事例ですね。
シンガポールの法人税制は、まさに目に見える経済的インセンティブとして成長エンジンとなっています。
日本の法人税率はかつての40%台から、ようやく23%台まで段階的に引き下げられてきましたが、シンガポールは17%程度。
しかも外国企業には様々な優遇措置がありますので、実行ベースではもっと低くなります。
いまでこそ、日本との差は数パーセントですが、10年前には勝負になりませんでした。
世界の成長企業がアジアでビジネスをする際、リージョナル・ヘッドクォーター(地域統括本社)をどこに置くのかという問題があります。
かつては東京でした。
その後上海にも人気が集まりました。
2010年以降は、断然シンガポールですよ。
これは明らかにシンガポール当局が、富を生み出す有能な人材がたくさん働いているグローバル企業を誘致したいと考えていたと言うことですよね。
シンガポールは国土が狭く、資源に乏しい国ですので、特に金融系、IT系などの知識集約型の産業の誘致に力を入れていますね。
またシンガポールは、個人に対しても、資産を一定以上保有する人には永住権を与えるなど、政策によってクリエイティブ・クラスを誘致していますね。
都市を中心とした産業クラスターという単位で議論されることもあります。
米国は産業クラスター大国です。
有名どころでは、シリコンバレーやテキサス州オースティンなどですね。
中国では深センですね。
シリコンバレーは、スタンフォード大学が中心になって、世界中からお金は無いけれども才能のある人たちを奨学金で誘致して、そのような人たちがそこで起業ができるしくみを提供し、チャレンジャーを応援する文化を長い年月をかけてつくりあげてきました。
最近はこれを「ビジネス・エコシステム」と呼びます。
政策に基づき、経済成長の方向性を明確に示している都市やクラスターは世界中にたくさんありますね。
皆、わかりやすい言葉で、目に見える経済的インセンティブを、企業や個人(投資家も含めて)へ向けて発信しています。
わかりにくいものは、SNS上のポストのようにどんどん流されてしまい、人々の記憶に残らないのもグローバル競争の特徴ですね。
増田 その場合に、やはり現代においては、金融やITの人材が中心になりますでしょうか。
例えば、学術都市であれば教授と言ったことも考えられるのですが、どのような分野が注目されているのでしょうか。
臼井 今注目されている知的集約型の産業分野は、金融、ITに加えて、医療・創薬などのバイオ分野ですね。
日本でも各地で、バイオクラスターの形成が進んでいます。首都圏でも東京と横浜を中心に大病院と製薬会社、大学などを集積させ、早い段階で実験をし、それを薬として開発していくクラスターの構想があります。
ただ、医療分野は規制産業なので、国によって法制度が異なり、ややグローバル化しにくい面があります。
しかしバイオ分野全体はグローバルな成長産業ですね。
増田 そう言った分野がやはり都市にも人にも大きな還流を生みやすいのでしょうか。
私たちの業界ですとクリエイティブと言うと制作などなどのイメージとなります。そう言った分野だと大きな還流は起きにくいでしょうか。
臼井 東京や横浜では、アーティストを誘致しアーティストの方々が作品を発表しやすいような場を作る方針を掲げています。
ただ大事なことは、ビジネスとしてそれが都市の中で還流をしていかないと持続可能性が低くなってしまうということです。
そう言う意味で、先ほど私が申し上げた金融、IT、医療は、お金が回る分野です。
アーティストに関してはそこが弱い部分ですので、さらなる工夫が求められますね。
増田 今までのお話は、世界に通じる一般的な都市論のお話になりますね。世界の都市事情に関しては一般的なお話で十分理解できそうですね。
臼井 そうですね。
まとめると、グローバル化によって人はますます移動や移住をするようになる。
もちろん、感染症のようなグローバル化によるリスクは増加していくでしょうが、それをら封じ込めるためのグローバルなルールも形成されていくと思います。
とくに成長する企業やクリエイティブ・クラスの間では、グローバル化の流れは止められないでしょう。
そうすると魅力的な都市にクリエイティブ・クラスが集まり、イノベーションが起こりやすい場所としてさらに特定の都市の魅力が高まっていくというポジティブなスパイラルが起動します。
特にクリエイティブ・クラスのグローバルでの獲得競争がますます激しくなるでしょう。
その流れに政策や規制緩和も統合されていくでしょう。
その時に大事なことは、インフラなどのハード、そして自然・歴史的な資産にプラスして、やはりソフトウェアないしはしくみなんです。
具体的には「クリエイティブ・クラス」を惹きつけ、そして彼・彼女らが化学反応を起こし続ける「エコシステム」が都市にとっての競争優位の源泉になるでしょう。
エコシステムの中心には明確な経済的インセンティブがセットされなくてはなりません。
もちろん、利益一辺倒は未来社会では歓迎されません。
しかし持続可能な社会を形成するためにも、経済的インセンティブは欠かせません。
とくに先進国においては、インフラやハードウェアに差異化要素を求めるのはますます難しくなります。
ポジティブな循環を生み出す、自己成長を続ける都市のエコシステムをいかにしてデザインするのか、その構想力と実行力が都市戦略の成否を決めるでしょう。
前編は、以上になります。
後編では、渋谷、そして新宿、新宿西口の魅力の違いや今後の魅力の作り方について、いよいよ迫ってまいります。
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