新宿コラム

東京の都心６エリア｛新宿(西口)、渋谷、品川、六本木、池袋、東京(丸の内、八重洲)｝において、各エリアそれぞれに、どの程度のワーカーが働いているのでしょうか。まずは、研究のスタートとして、「新宿西口」を中心に各エリアの“ワーカーボリュームと属性”に着目します。数として可視化することにより、各エリアの実態が見えてきました。

 

 

■「新宿西口」ワーカー数は、１キロ四方に“約１０万人”

各エリアのワーカー数を調べてみると、図１のように「新宿西口」で働くワーカーはおよそ【約１０万人】。この数は「渋谷」(約５万人)や「六本木」(約４万人)など周辺のビジネスエリアと比較すると最も多いことが分かりました。ただ、さすがと言うべきか、代表的なビジネスエリアの１つである「東京」駅周辺のワーカー数も、「丸の内」(約８万人)、「八重洲」(約８万人)と非常に多いことも分かりました。「東京」の２つのエリアを足してしまえば、「東京」駅周辺が最多ということになります。とはいえ、「新宿西口」も新宿の１つのエリアと考えると、１キロ四方のコンパクトなエリアにこれだけの人数が毎日働いていることは驚異的であり、新宿駅の乗降者数の多さもうなずけます。

 

【図１】勤務地別 ワーカー人口

 

 

 

■歩いているのは男性ばかり？本当は働く女性の多い「新宿西口」

さらに性別で見てみましょう。「新宿西口」で働く１０万人のうち【４２．９％は女性ワーカー】でした(図２参照)。「東京２３区」で働くワーカーに「新宿西口」のイメージを聞いてみると、男性的なキーワードが特徴として挙げられています。実際に「新宿西口」で働いている私たちも、行き交う人を見ていると男性が多い実感があります。一方で、女性ワーカーの多いエリアといえば、華やかなOLのイメージがある「丸の内」や、若い女性が集まっていそうな「渋谷」が思い浮かぶのではないでしょうか。

しかし、割合で見れば「新宿西口」には「渋谷」よりも多く、「丸の内」と同程度の割合で女性ワーカーが働いています。しかも、実際のワーカー数では「新宿西口」の方が多いため、男性のワーカー数だけではなく、“女性のワーカー数でも上回る”という事実は、これまでの「新宿西口」のイメージを覆すのではないでしょうか。

 

【図２】勤務地別 ワーカー男女割合

 

 

 

■独身が半数を超える「渋谷」「池袋」「六本木」

　女性３０代は、「新宿西口」が全てのエリアの中で一番多い！

イメージ通り「渋谷」は、割合で独身が最も多く、“５８％超”を占めます(図３参照)。「新宿西口」は半数以上が“既婚”という結果が出ています。「新宿西口」の性年代で見ると男女ともに“３０代”の割合が高くなっており(図４参照)、消費も活発で働き盛りの３０代が最も多くいることが分かりました。割合では、エリアトップではありませんが、実数値では、群を抜いて多いことが把握できました。会社帰りに家族のための買い物をする日もあれば、一人の時間が欲しくて寄り道をする日もあるかもしれません。日中や夜などさまざまな仕掛けをすることで、相当な数のワーカーの滞留を促進し、エリアの活性化につながりそうだと感じています。

 

【図３】勤務地別 ワーカーライフステージ割合

 

【図４】勤務地別 ワーカー性年代割合

 

 

 

■エリアにいる“人”の特徴に合わせた活性化の可能性

いかがでしたでしょうか？

東京の都心6エリアのワーカーボリュームを見るだけでもワクワクしませんでしたか？各エリアにおいてボリューム層にも違いがあり、それがイメージに繋がっているエリアもあれば、「新宿西口」のように意外な結果のエリアもありました。つまり、人のイメージがそのままエリアのイメージにもなり得るし、一方で人とエリアのイメージがリンクしていないエリアもあるということが分かりました。

各エリアにおいては、“人”の特徴が強みになっているエリアは強化し、イメージと実際が乖離しているエリアは改善が必要です。その活性化の改善や継続が、各エリアのマーケティング価値を高めることに繋がると考えています。

私たちの働く「新宿西口」は、イメージと実際のワーカーの乖離が起きているので、それを変えていくことが必要なのかもしれません。

 

 

次回以降、各エリアのワーカーのプロフィールや価値観を明らかにし、各エリアの活性化のヒントにつながるコラムを連載していきますので、

どうぞご期待ください。